Enlightenment

耐性の暗渠に沈む月よ/今や此処よりおまえは用無し/今や此処より芥と消えて/震えているのはおまえの幽霊/あきらめの悪い麻薬のように/それは卑屈の成れの果て/耐性の暗渠にゆらめく月よ/今や此処よりおまえは何者でもなく/今や此処より虚ろの響き/震えているのはおまえ自身である/扉を叩けば軋みに奪われ/それは夜明けの成れの果て/モレク/不実の言葉をこの手に/不浄の言葉をこの手に/茫然とした黒い石に仮装し/その身の黴を振り払うが如く/今や此処より幽霊を陵辱し/今や此処より幽霊を殺す/あらかじめ用意された暗転に/黒く焼き付けられた印の輝き/震えているのはおまえの真夜中/震えているのはおまえの家だ/おのれの蛇を呑み込んで/それは裏返しの成れの果て/今や此処よりおまえはその首をさらし/今や此処より砂に染み込む/モレク/耐性の暗渠に沈む月よ/喰い残された骨に祈りを/モレク/不実の言葉をこの手に/不浄の言葉をこの手に/

Home Comfort

アテンホ、アテンホ/蟲の下僕に乞う/その隅々まで戴くに/冥くなったら四つ数えろ/阿呆鳥は夜に飛べ/乳房を頭上に掲げ/卒倒の海に立つ/アテンホ、アテンホ/蟲の下僕に乞う/その隅々まで戴くに/冥くなったら三つ数えろ/濡れ蛇は砂と交われ/肩に繋げた両足で/無実の者と抱擁す/アテンホ、アテンホ/

Starsailor

阿呆の峠を宙ぶらりんの両脚で蹴り/蛇の棲み処の冥き双つの穿ちへ/ゆらゆらと砂漠を歩む者/ギギは跛行でピーは纏足/木偶は震えに身をまかせ/双子の黒子の眸は一対/双子の黒子の耳も一対/双子の黒子の口ふたつ/無用の時間に入れ替わり/咀嚼の時間に整列す/蛇の棲み処へ轍を辿り/ギギは跛行でピーは纏足/双子の黒子の棺一基/おのれの肉は砂に眠って/おのれの肉は砂に屠られ/木偶の涙を星が湛えて/木偶の鏡に星が湛えて/