Foetus

路傍に打ち捨てられて/萎れ腐った黒衣乞食の屍骸の如し/異常歪に錆骨飛び出し破れた蝙蝠傘の皮膚捲り/其の内臓を覗き見れば/未だ端然たる支骨の並び譜頂きに/果たして呆けた空に覗き返され/しかし唯、一心に地平45度の宙天仰ぎ/有らん限りの記憶の背中を覗き見れば/合わせ鏡の蝶つがいが囁きに/「それは向こうのおまえの背中なのだ」と/斯くて此処より地獄の顎へ急ぎ歩め/そしておのれにバクシーシを与え給え/